キュウフン

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金山

2016年2月21日日曜日

台湾名人圖鑑 その① ~鳳凰女・曾馨瑩物語~‏

何日か前から南風が吹き始め、私の住まいのある千葉や、職場の東京、有楽町は少しずつ暖かくなってきているように感じます。

皆さまいかがお過ごしですか?


今日は、今日本で話題の、シャープがおよそ7000億円にのぼる資本の支援を受け入れるかどうかで迷っている、台湾企業「鴻海精密工業」の郭台銘董事長(代表取締役)、その夫人の曾馨瑩(デリア=ツェン)さんについてお話をしたいと思います。


皆さまもすでにご存知かなと思いますが、鴻海精密工業は、台湾国内だけでなく、中国大陸にも大きな工場をいくつも持っている、家電製品の下請け企業としては世界最大の会社です。

その為、郭台銘氏は、台湾で第4位の富豪としてもよく知られています。
この郭台銘氏ですが、過去、有名な女優(劉嘉伶)や、モデル(林志令)など、いろんな女性関係が噂になっておりまして、でもまあ、それは富豪の男性にはよくあるお話ですね(^^;)


2005年に最初の夫人を乳癌で亡くされた後、2008年に現在の曾馨瑩夫人と結婚されました。

当時、林志令との間が噂されていて、マスコミがノーマークだったこともあり、この方の登場に私も驚きました。


「舞蹈,改變了我的人生。」  (踊ることは、私の人生を変えた)

曾馨瑩さんは、ダンサーで、有名な振付師でもあります。
明るい、夏の日の太陽のような、素敵な笑顔が印象的です。


台湾南部の南投県出身で、母方の祖母が日本人というお話もあります。
国立芸術専科学校(現台北芸術大学)卒業後、アメリカにわたり、サンフランシスコ大学で舞踊を学んで、帰国後、現在に至る活動を開始しました。


なんでも、林志令のダンスの講師をしていたのが、曾馨瑩さんで、その関係で郭氏と知り合い、交際が始まったのだとか。ご結婚の前に日本の大阪と、中国の武漢を旅行し、その時にプロポーズがあったそうです。


彼女が当時33歳、郭氏が57歳の歳の差24歳のカップルです(^^)


残念ながら、郭氏が、公的な行事に出る時以外、ご家族の情報があまり外に出てこないためなのか、台湾国内の報道では、曾馨瑩さんの人となりについて、例えばですが、台北郊外の淡水という街に10億元以上する住宅を購入したですとか、いかに優雅に暮らしているか、もしくは彼女の持っているブランド品の紹介(高額のミキモト真珠製品)など、表面的な情報しか出回っておりません。


ですが、いろいろと情報を繋ぎ合わせてみると、曾馨瑩その人が見えてくる気がします。


富豪の男性、もしくは、社会的に地位のある男性と結婚した女性のことを、台湾華語で、「鳳凰女」と呼びます。これは、昔の中国で皇帝のシンボルが龍ですので、それに対比して、最高の地位にある女性のシンボルとして、鳳凰を当てはめたものです。


彼女はまさにそれに当てはまる方だと思うのですが、私には贅沢なイメージというよりも、郭氏が、彼女のことをマスコミに紹介する時に「彼女からはお金の匂いがしない」と言っていたように、ふつうの一般的な女性、それも仕事を持って生きる人々と変わりないなぁと思う面もあります。


「彼(郭台銘氏)が、ダンスを好きでなくなったら、私も彼と別れる」というほど、彼女は、踊るということを自分の人生そのものと考えています。

ダンサーの時代にも月にNT$40,0000~50,0000(当時約120~150万日本円)ほど収入を得ていて、それなりの成功を収めていました。

まさに、踊ることで人生を切り開いた女性ですね。


今は、お子さんが3人(息子1人、娘2人)いらっしゃるので、昔ほど出演はしていないですが、それでも、きっとこれからも、ダンサーであり続けるのではないでしょうか。


「30歳を過ぎたあたりから、誰でも自分の人生に安定(家庭を持つ)を求めるものです。彼とは本当の意味でご縁で結ばれていると思います」

これは、結婚後のインタビューでの言葉ですが、本当にふつうの女性の感情ですよね。


・・でも、その相手が郭氏のような有名人というのが、やはりすごいですね(^^)





曾馨瑩(デリア=ツェン)さん






ご結婚当時、夫の郭台銘氏と


ちなみに、お子さんのうち、お嬢さんにやはりダンスを教えているそうです。

私や、日本の皆さまとしては、シャープが郭氏率いる鴻海グループとどう渡り合っていくのかが今後気になるところで・・


シャープ社内で24日、25日話し合い、今月29日の交渉期限に最終的な回答を出すそうです。
日本の技術(特許など)が守られ、国際的に企業が発展していくという結果になるといいなぁと願っております。


では、また次のお話でお会いしましょう
(^^)/

2016年2月14日日曜日

台湾流行見聞録 その① OPENちゃん ~人々の心をOPENに~‏

今年は、2月8日が旧正月の元旦でした。台湾では、今でも旧暦のお正月に、新年のお祝いをする習慣があります。

皆さま、明けましておめでとうございます(^^)/

初めての挨拶となりますが、今年の1年間、どうぞよろしくお願いいたします。


さて、今日は初めての記事だし、何の話題にしようかなぁと考えていましたところ、やはりここは、誰からも愛されるものがよいだろうと思いまして、今や私たちの身近な存在となっている「ゆるキャラ」、それも台湾のものを1つご紹介します。

台湾や、もしくは中国(上海)を訪れたことのある方は、もしかするとご存知かもしれませんが、台湾のセブンイレブンに行くと、日本にない台湾セブンイレブン独自のキャラクターが、そこにいます。
頭にセブンイレブンの3色カラー(オレンジ、赤、緑)を、扇のように広げた帽子をかぶった、カワイイ犬のキャラクターです。
名前を「OPEN小将(OPENちゃん)」といいます。

敷地の広い所だと、お店の一角にこのOPENちゃんのコーナーがあって、ぬいぐるみですとか、マグカップや、お弁当箱、スマホケースなどの生活に使う身近なものが並んでいます。私は、これを見かけると、ぬいぐるみは1つNT$250だし(当時)、カワイイなぁ~ほしいなぁと思いながらも、部屋がすでにぬいぐるみで一杯だったこともあり、お弁当箱などの実用的なものを選んでいました・・。

日本の大手コンビニがしているように、台湾のコンビニも点数制で各商品についているシールを集めて、そのシールが指定の用紙一杯になると、用意された景品と交換できるサービスがあります。

私が台北に住んでいた時もそれがあって、私はセブンイレブンの商品を買って、ペットボトルや、菓子パン、スナック菓子などに付いているOPENちゃんのシールをよく集めていました。
シールが一杯になって、OPENちゃんのマスコットや、スタンプなんかと換えまして、当時、台北の地元の小学生だった息子が喜んでいたのを憶えています。

さて、このOPENちゃんですが、ちゃんとキャラクターエピソードがありまして、出自は宇宙のOPEN星からやって来た宇宙犬。台湾のセブンイレブンが気に入って、働いています。
また、OPENちゃんは、お祖母ちゃんからもらった魔法の杖を持っていて、それを使って、あらゆるものを開ける(OPEN)ことができます。

OPENちゃんの帽子は、当初セブンイレブンのシンボルカラーの3色(オレンジ、赤、緑)でしたが、後に、それぞれ「夢」「愛」「勇気」を意味する青、赤、緑に変わりました。この精神に基づいて、OPENちゃんは魔法の杖を使い、台湾の人々の心をOPENにして、人と人とを繋いでいくという、セブンイレブンのメッセンジャーとしての役割があるようです。

台湾のキャラクター、意外と奥が深いでしょ(^^)

OPENちゃんには仲間がいて、大抵はそれらが一緒にお店に並んでいます。
ハムスターの小竹輪(ちくわ)、小桃(モモ)、条碼貓(バー子)。
ちょっと悪いキャラのLOCK小将(LOCKちゃん)など、多彩なキャラクターです。
OPEN(開)ちゃんに対してLOCK(閉)ちゃんとは、面白いですね。

OPENちゃんのグッズは、日常雑貨や、ぬいぐるみなど多種多様なものがあります。それらは、セブンイレブンの他にも、台北市内に数箇所、もしくは松山空港の第1ターミナルの地下1かいにある、OPENストアという専門店でも購入できます。

ここからは、少し余談になりますが、台湾のコンビニについてお話しましょう。

コンビニは台湾華語(北京語)で、「便利商店」といいますが、その名の通り、台北の大きな通りを歩いていると、30メートルに1店舗くらいあります。こんなにあって、よく潰れないなぁ、と私は思ったものです。
それらのコンビニの中でも、セブンイレブンは最も店舗数が多いのではないでしょうか。
台湾のセブンイレブンは、統一企業という国内屈指の食品会社が総代理店となっています。

セブンイレブンで売られている商品は、今では、日本とほとんど変わりません。
飲料もお茶や、炭酸水は日本と同じものがありますし、お菓子類も同じです。

ですが、もちろん、台湾独自のものもあります。
私の住んでいた当時は、セブンイレブン限定商品で、台湾の駅弁シリーズというのがありました。シーズンごとに地方の味を紹介していくもので、煮卵と、香腸(ソーセージ)の入った阿里山のお弁当を、私は楽しみにしていました。
今は、別のものになっていると思いますが、地元の魅力が活かされた商品が多くみられます。

他にも、亜熱帯の台湾ならではの清涼飲料水があります。
「沙士」(サースー)という飲み物で、サルサパリラという植物の根から抽出するエキスが原料となっていて、通称「台湾コーラ」と呼ばれる、お馴染みの飲み物です。汗をかいた後の、塩分と水分の補給に最適で、まさに南国の生活の知恵から生まれました。

沙士の味についてですが、日本の旅行者様の間では、どうも賛否両論のようです。
すっぱいコカコーラのような味に意見が分かれるところですが、私などは、何度か飲むうちにすっかり慣れてしまい、あ~あ、あのドクターペッパーのような味が懐かしいなぁ、などと、今ではその味を恋しく思うほどになりました。
ちなみに、この沙士は、台湾ならセブンイレブンでなくても、どこのお店でも置いています。

あなたが、もし台湾を旅行中に水分を必要としていたら、ぜひ普通の飲み物の他に、この沙士を試してみてください。
コンビニでしたら、道を歩けばどこにでもありますし、そこが、セブンイレブンだったら、OPENちゃんとその仲間たちにも会えるかも知れませんね。

それでは、また次のお話でお会いしましょう(^^)/





                        台北のセブンイレブン


                           OPENちゃん


                           LOCKちゃん


申年限定OPENちゃんグッズ




黒松沙士